ごあいさつ
四国市民政策機構は、今から二年前に、地方の自立とそのための市民社会ガバナンスの形成を目指して、NPO法人の中に事務局を置き、任意団体として活動を始めました。2007.8.31の三市市長討論会は、志ある株主に支えられ、自立した株式会社として独立し生まれ変わった、市民シンクタンク「四国市民政策機構株式会社」の最初のチャレンジとなります。
戦後、ひたすら経済成長を目指し、物質的・量的豊かさを求めて走ってきたわたしたちの住むこの国は、世界の「先進国」を自認し、アジアの、また、世界の中で、リーダーとしての役割を問われるまでに成長しました。
しかし一方で、バブル崩壊後の経済低迷により、国家、地方行政の財政の破綻の構図が見えてきたとき、根拠の無い成長神話の中で形作られたわたしたちの「豊かな暮らし」が、最低限の暮らしと安全を守り保障するという国家の義務の持続が危ぶまれるほど危うく脆いことが明らかになってきました。最近の中央政府が提唱する骨太の改革は、市民の痛みの先にある筈の、目指すべき岸辺の姿が一向に見えて来ません。わたしたちはただ、波の中に漂い、遠くで誘う灯台の灯りを待っている一艘の船のようによるべのない存在であるようにも思えます。
けれども、ここで嘆き苦情を言うより先に、重要なことは、わたしたちこそがこの船の持ち主であり、唯一、その未来とそこへの道筋を選択し、決定できる存在であるということです。そこに気付かない限り、船はいつまでも霧の中に漂い、わたしたちは、ただ自らの不安と不満の重みに沈む運命を待つばかりです。わたしたちは、自ら船を動かすことを、今、決断しなければなりません。
今こそ、「文言と形式の中の民主主義社会」から、「血の通った意志を持った民主主義社会」への脱却を図らなければなりません。現実の地域社会で日々の暮らしを営む住民ひとりひとりが、社会への意思と知恵を持って「国づくり」「まちづくり」「人づくり」を、自らの手で行う必然性をわたしたちは、今、感じているのです。そして、それは決して不可能ではないのです。
わたしたちが、地方型の市民シンクタンクの在り方を探る中で、最初に取り組むことになったのは、衆議院議員選挙における香川県内3選挙区での「合同個人演説会」でした。政策を掲げた候補者が有権者の前でそれぞれに主張を戦わせ、そこに参加することによって有権者は自らの一票を行使する判断基準を得る。選出された首長ないし議員は、自らが掲げた政策の実行に努力し、また、有権者は自らが行使した一票が正しく政治あるいは行政に反映されることを注視していく。ここに生じる緊張関係が、それぞれの地方に生活する市民のそれぞれの自治の確立、真の民主主義を実現するという議会制民主主義のあるべき姿をそこに見出すべく、香川の「公開討論」に関わってきたわけです。
わたしたちは、国(中央政府)の言うような「官から民へ」「国から地方」へという方向を目指しているわけではありません。揺ぎ無い「国家」「地域社会」は、地域の人たちの意志によって始まり、地域住民と共に形成される地方自治のあり方がそれを支える基盤となると思うからこそ、むしろ「民から官へ」「地方から国へ」を目指したい。ここから新たな地方自治の形成に、ご一緒に向かう事ができればこれほど嬉しいことはありません。
代表取締役 福家 明子